「安かろう悪かろう」は金融庁の認可を愚弄する言い方

通販型自動車保険のことを「安かろう悪かろう」などという品の無い?言い方をするのは、ほとんどが自動車保険の代理店を自ら営んでいる方々のようです。

具体的にはインターネットのYahoo掲示板、教えて!Ggoo など質問掲示板の質問に対する回答として、「安かろう悪かろうが通販型」「通販型は事故のときに役に立たない保険」などと通販型自動車保険のことを中傷することが多いようです。

自動車保険の自由化を契機に登場した通販型自動車保険は、従来の代理店を省略した直接契約により保険料を大幅に安くするというスタイルの保険ですから、通販型の加入者の増加は代理店の方々の収入に直接響くこととなり、気持ちは分からないではありません。

しかし「安かろう悪かろう」というのはいかにも低レベルな、悪意をむき出しにした言い方ではないでしょうか。

国の認可を受けたれっきとした保険事業のことを、保険料が安いからと言ってまるで中国産の粗悪品の自転車か何かのような言い方をしています。

代理店業といえば自動車保険業界の一翼をになう立派な業界関係者と言えるでしょう。

その自動車保険業界の方々が「自動車保険には安い粗悪品がある」とネット上とはいえ声高に公言しているのです。

そもそも代理店の方々が言うような「安かろう悪かろう」という自動車保険はこの世に存在出来るのでしょうか。

■通販型も代理店型と同格の自動車保険事業

保険料が安かろうが高かろうが自動車保険というのは国(金融庁)の厳格な審査を受け認可された保険事業であり、銀行の預金、融資、証券会社の投資商品などと同列の金融サービスです。

通販型自動車保険も代理店を省いた形の保険設計によって金融庁の審査、認可を受けており、その点では代理店型自動車保険となんら変るところはありません。

通販型の保険料が安くなっているのは、そのような事業設計によって金融庁から認可を受けているからであり、粗悪な保険だから安くなっているのではありません。

つまり、そもそも「安かろう悪かろう」の保険など初めから金融庁の認可が得られるわけが無いのです。

また、2006年に代理店型損保大手8社が保険金不払い事件で営業停止の処分を受けたように、認可後においても金融庁の監督は厳しいものがあり、代理店の方々が言うような「安かろう悪かろう」の保険を販売していたとしたら金融庁が黙っているはずがありません。

代理店型と同じく金融庁の認可を受けた同格の通販型自動車保険を根拠もなく「安かろう悪かろう」と悪し様に言うのは、業界の認可・監督を行う金融庁のことを愚弄することになるということに気付かないのでしょうか。

■多くの人が「安かろう悪かろう」に影響されているのではないか?

Yahoo掲示板で「自動車保険」のワードで検索してみたら、10万件をはるかに超える質問数がありました。

Yahoo掲示板だけでこの数字ですから、ネット全体では相当数の人たちが自動車保険選びなどに質問掲示板を参考にしていることが分かります。

このような多くの人が回答の中に「安かろう悪かろう」などと言う通販型への中傷を見つけ、通販型を選ぼうとしてしていたのに結局はあきらめてしまったというようなケースがかなり多いのではないでしょうか。

回答を投稿した代理店の方々は「作戦成功」と思っているのかもしれませんが、もしそうだとしたら実に低レベルで嘆かわしいことだと思います。

自動車保険業界がどう思われようと自分達が儲かりさえすれば良いというのですから。

■実際の評価は全く逆

国内最大級の調査で知られるオリコンの2015年版自動車保険顧客満足度ランキングで、通販型各社が1位から7位まで独占しました。

同じ調査の2014年版では1位から8位まで通販型が独占でしたから、通販型自動車保険は2年連続で代理店型各社を圧倒したということになります。

また、世界的な市場調査・コンサルティング会社のJDパワーが公表した「日本自動車保険事故対応満足度調査」の2015年ランキングでは、通販型のソニー損保が堂々の1位に輝きました。

オリコンの調査回答者数は26,178人、JDパワーの調査回答者数は7,019人、調査対象者は過去数年間に事故などで自動車保険を使った事のある人ですから、これらの結果はかなり客観性の高い評価だといって良いでしょう。

このように実際の通販型自動車保険の評判は「安かろう悪かろう」どころではありません。

代理店の方々の言い方を借りれば、「安かろう良かろう」が通販型で「高かろう悪かろう」が代理店型ということになってしまうのではないでしょうか。

通販型の自動車保険のことを「安かろう悪かろう」と言い立てる代理店の方々は、オリコンやJDパワーのこのような調査結果をどのように説明するのでしょうか。

「一部の調査だけでは正しい評価が分からない」とでも反論するのでしょうか。

でもこれはメジャーで比較的有名な調査の結果を代表として取り上げたのであって、都合の良い結果を意図的に選んで紹介したのではありません。

都合の良い結果どころか、保険スクエアBang!の事故対応満足度ランキング、価格.comの自動車保険人気ランキング、保険市場の自動車保険ランキング、楽天の自動車保険満足度ランキング等々、各社が公表しているランキングのことごとくで通販型自動車保険が上位を占めているのです。

このようなランキングを見る限り、少なくとも実際に事故で保険を使ったことのある人の評価では勝負あったといえるでしょう。

考えてみれば、ネットの「安かろう悪かろう」というコメントは代理店という専門の方々のものであるだけに、一般の人たちに罪なことをしてきたのだと思います。

専門家こそ我田引水ではない客観的な評価で一般の人たちを啓発するべきだと思うのですが、自動車保険の業界ではそのような論理は全く通用しないようですね。